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吉良広義先生インタビュー『ちんパブ!~あの娘をイカせるのが俺のおシゴト~』

「ちんパブ」…女性客を男性が身体でもてなすという、
一度知ったら忘れられない女性版おっパブとも言えるような独自の舞台を持つこの作品。
エロ漫画ながら、女性からも「実際に行ってみたい!」とコメントが相次ぐ、
作品作りへのこだわりを吉良広義先生へお伺いしてきました!

――今回のインタビュアーは編集担当のMです。
まずは、吉良先生のご経歴につきまして教えてください!

今年で漫画家生活20年です。
デビューするまでは大学の漫研の先輩の所でアシスタントやりながら同人誌を描いてて、
そこで声をかけてもらった出版社さんと10年くらい一緒にやらせてもらってました。
…で、まぁ紆余曲折ありましてスクリーモさんに(笑)

――おお!漫画家生活20年…!
やはり長く続けていらっしゃると紆余曲折ありますよね(笑)
そして現在、「ちんパブ」という独特な舞台で、
またそこが人気のポイントでもあるお話を描いていただいていておりますが、
この作品を作っていて大変だったことや、こだわった部分を教えていただきたいです。

そうですね…やっぱり女性を意識して物語を作らなきゃいけないってのが苦労する点かなって気がします。
「ちんパブ」って名前自体もギャグっぽい名前なので、
ふざけすぎないように、かつワクワクするような要素も込めつつ…っていう
リアリティのさじ加減とか気を付けてます。
ヒロインやちんパブの女性客はやっぱり、女性読者を反映しているキャラクターだと思うので、
倫理観だったり恥じらいとかそういう部分を、現実から逸脱させないようにしつつも、
現実には出来ないようなエロい描写とのバランスが
うまく取れればいいなって考えながら描いてますね。

――確かに、女性のレビューもめちゃくちゃ寄せられていますね!
広告などでご覧になった方が「ちんパブって本当にあるの?行ってみたい!」とSNSで呟かれていたり、
リアリティとのさじ加減が絶妙な所がこの作品のポイントだと思います!
ただ、今は実際に「ちんパブ」は無く、都市伝説的な存在になっているみたいですね。

レビューやコメントしてもらえるの、本当ありがたいです。
そういえば僕もリサーチしようと検索したら、「ちんパブが6件あります」って出てきて、
「おっ、ちんパブあるのか!」と見たら、キッチンパブってのが出てきたことが(笑)

――ちょっと惜しい!(笑)
でも存在しないからこそ、この「ちんパブ」というお話に興味持って、
楽しんで頂けているのかもしれませんね。
もちろん女性だけでなく、単行本第1巻も成年向けとして発売中となりますが、
恐らく初めてご経験された電子配信からの単行本化、と言うのはいかがだったでしょうか?

描き下ろしでは、本編だとNGされちゃいそうな内容を描かせてもらいましたね(笑)
ただ、主に男性が買う場所で売る時に、画面作りや男性キャラの存在感が違うってのは心配でした。
苦労話にもなりますけど、「ちんパブ」は周りのモブや
店内の様子が見えて成立するシチュエーションが多いじゃないですか。
だからどうしても引きの絵が多くなるんです。
引きの絵だと没入感も弱くなるし、
男性の見たいような女体のアップや行為を前面に出しにくくって、
やっぱり根本的に男性向けの作品と、今回みたいに女性読者も
意識しているかどうかって違いが出たなって気がします。

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――確かに、漫画の作り方も普通の成年向けとは異なりますね!
その店内の様子を第1話で大変丁寧に描いていただいたからこそ、
「ちんパブ」の様子を写したシーンが広告でも目を引いたかと思います。
あと、最近は直紀がすごい射精記録を持っていて、
ライバルが意識する…みたいなシーンを切り抜いた広告が出ていたり(笑)
こういう絶倫っぽさも「ちんパブ」のポイントでしょうか?

例えば体格差萌えとかも、守ってくれるだけの力があるかって言うのが視覚的にわかりやすいじゃないですか。
やっぱり女性がこういう作品を読む時って、
相手の見た目だけじゃなくて、腕力だったり権力だったり経済力だったり、
自分が身体を預けられるってパワーを欲していると思うんですよ。

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――なるほど、そういった直紀の絶倫っぷりも、男性向けな設定かと思いきや、
女性読者が好む主人公としてのこだわりがあるんですね…!
ではなおさら、直近のちんパブナンバーワンを決めるイベントの展開で、
直紀には勝ち上がってパワーを見せつけてもらわないと!

今はまだ勃起力しかないんですよね!(笑)
やっぱりストーリー的にも直紀の成長記録みたいなところがあるんじゃないでしょうか。
「ちんパブ」ってお店が舞台なんで、三角関係にもなっている間にも、
どうしても接客で他の人とプレイしなきゃいけなくなっちゃうこともあるんですよね。
毎回、直紀がそういうエッチせざるを得ないシチュエーションに追い込まれて、
そこでどうするかってのも作品のポイントの一つと思って作っているので、
「浮気男!サイテー!」と思い入れ過ぎずに、気楽に楽しんでもらえればなと(笑)

――毎回様々なエッチシチュエーションで読者を楽しませてくれる「ちんパブ」ですが、
中でも吉良さんのお気に入りのエピソードやシーンがあれば教えてください。

どのお話もその時は面白いな、と思いながら描いている部分があって、
毎話描いてる話がお気に入りになるんですけどね(笑)
でもその後は、あんまり関心がないというか…。
シチュエーションは、どちらかと言うとキャラクターを動かすための舞台って感じで、
そのキャラクターが舞台の上で動いてくれると面白いなって感じなので、
「このシチュエーションが気に入ってるぞ!」って言うのは特にはないですねぇ。

――お気に入りのエピソードは毎回、最新になっていっているんですね!
楽しんで描いて頂けているのであれば何よりだと思います。
確かに、「ちんパブ」は対照的なダブルヒロインや、個性豊かな男性キャラも登場しますが、
どのキャラがお気に入りですか?

ヒロインのどっちがお気に入りかって言うと問題がありそうな気がするんですけど(笑)
麗央奈は動かしやすいです。反発するキャラなので、誰とぶつけても話が展開するというか…。
あと、勝気な金髪キャラがぶっちゃけ好きなんで(笑)
実際に果歩ちゃんみたいな健気な彼女がいたら、
自分なら迷わず速攻で店辞めちゃいますね。
そしたら話終わっちゃいますけど(笑)

よくレビューとかで、「直紀の童貞卒業がなんで麗央奈なの?」って突っ込まれることがあるんですけど、
その気持ちすごーくよくわかります!一番読者に近い立場の果歩に感情移入するとそう思いますよね。
あの展開はもちろん男性向けとしての序盤のエロの掴みって事もあるんですが、
麗央奈は直紀と果歩という元々惹かれ合ってた二人がちんパブで再会するってところに、
割って入らないといけないので、それくらい強烈な関わりが必要だったんですね。
この出来事無しだと、なんで麗央奈がこんなに直紀に執着しているかって理由が弱くなっちゃうんですよ。
純愛以外受け付けないって読者さんには、その時点で違うなって判断されちゃうとは思いますけど、
そこを乗り切った読者さんには三角関係の続きを楽しんで読んで貰いたいですね。

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――確かに、ダブルヒロインのお話で、設定的には果歩の方が直紀に近い存在になる所、
麗央奈とも存在感ある接点が出来ていて、良いバランスですね。
ちなみに男性陣では、お気に入りのキャラはいらっしゃいますか?

店長がけっこう使いやすくて(笑)
銭ゲバって言うか、金に絡ませて強引な事をしてくれるキャラがいると展開が楽な部分もありますし、
直紀が辞めちゃうとストーリーも終わっちゃうので、引き留め役として重宝してます。

「サンズ・オブ・アナーキー」って、武器の密輸とかもしている非合法組織から
主人公が綺麗に辞めようとするって内容の海外ドラマがあるんですけど、
それも辞めちゃったら終わりじゃないですか。
そのドラマもうまく転がしながらストーリー着地させてたので、
直紀くんには辞めたいとか果歩と上手く行きたいという思いを抱いてもらいつつも、
それを辞められないってシチュエーションで、うまく追いつ追われつな葛藤を作れれば、
続けて飽きずに読んで貰えるかなって考えてます。

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――今後、描いてみたいエピソードやジャンルはございますでしょうか?

実際描けるかどうかは別ですけど、直紀がちんパブに勤めるに至ったエピソードとか、
過去の果歩と直紀がなぜ付き合わなかったかってとこまで掘り下げられたらって思います。
どちらも童貞の過去話になっちゃうので、エロ漫画として成立するかってとこが問題なんですけど…。

あと、男装の女性が女の人にサービスするちんパブ姉妹店とかで、
直紀が女心やテクニックを学んだり、実力不足を痛感しつつも新キャラの女の子と仲良くなったり…
ってエピソードも描きたい気もするんですけど、これはそうなるに至る流れがあればって感じですね。

――続きまして、漫画制作の合間に息抜きに行っているご趣味はありますか?
確か吉良さんはブログにツーリングの写真なども乗せていらっしゃったと思いますが、
気分転換の方法などあれば教えてください。

バイクは昔に比べると全然乗らなくなったんで、
もう年に何回かちょっと遠くに行くくらいで、今は移動手段として使ってる感じですね。
あとは、魚飼ってるのと猫がいるくらいですかねー。
猫はなんか世話させてもらうかわりに癒されてる感じなんですけど(笑)

――アクアリウムの画像もブログに乗せていらっしゃいましたね!
そういえば、以前アクアリウムを題材にした漫画を読んだことがあるのですが、
なんだか奇妙な見た目で床を這うタイプのお魚のエピソードが面白かったです。
全然知らなくって検索してみたらすごい色んな見た目してて…―。

たぶんプレコですかね。
流木とか入れておくと、おろし金みたいな口で木を削って食べるんです。
しかも小さいプレコでも水槽の中から、ガリガリ木を削る音が聞こえるくらい、歯が鋭いんですよ。
色の個体差もハッキリしているものなんかは、同じ種類でも渦巻きとかシマの入り方が
一体一体違って、そういうのを沢山集めるマニアもいる魚ですね。

餌とかもそうですが、照明や背景・水や砂の色を変えるだけで、
魚って環境で色そのものが変化するのですごいですよ。
あとエビがつまつましてるの見ると癒されますね。
つい見てると時間を忘れちゃうんですけど(笑)

――あぁ~、エビがつまつま、可愛いですね!
自分も飼ってみたくなっちゃいました(笑)
それでは、最後に読者さんにメッセージをお願いいたします。

…そうですね、男性向けのエロ漫画なんで男性向けに描いてる部分もあるし、
女性読者にも楽しんでもらえるように描いてる部分もあるので、
ヒーロー目線、ヒロイン目線の両方を楽しんでもらえれば嬉しいです。
あとは「ちんパブって何?女性用の風俗なんてあるの?」ってところから入って
楽しさに気付いた人達と共に、「ちんパブ」って一つのジャンルとして、
盛り上げて行きたいです。

吉良先生、今回は性別の垣根も超えて楽しめる作品作りについて、
数々のこだわりを教えて頂きありがとうございました!
これからも「ちんパブ」界の第一線を引っ張って行ってくださることを楽しみにしています!

☆作品はこちら↓

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