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百瀬こあ先生インタビュー『3秒後、野獣。~合コンで隅にいた彼は淫らな肉食でした』

『3秒後、野獣。~合コンで隅にいた彼は淫らな肉食でした』は、
肉食系男子にいい思い出のない女子大生・紬と
ロールキャベツ男子(※)・要の恋愛を描いた作品です。
要の持つ草食系の顔と肉食系の顔を丁寧に描き分ける百瀬先生に、
作品作りの裏側をお聞きしました!

※ロールキャベツ男子:草食系に見えるのに実は肉食系の男子のこと。

――今回のインタビュアーは担当編集のWです。
まずは、漫画家になったきっかけをお聞かせいただけますか?

趣味で同人活動にハマっていた時に、
コミケで商業誌デビューのお誘いをいただいたのがきっかけです。

少女漫画とティーンズラブ(TL)でお声掛けいただいたんですが、
当時はティーンズラブというジャンルすら知らなくて。
「こんな自分が漫画家になれるんだろうか」と不安でした。
でも、そのときいただいた自分の同人誌への感想が
とても嬉しかったので、チャレンジしてみようと思いました。

ちなみに、最初に描いたのは少女漫画の読み切りでした。
ファンタジー作品です。

――同人活動をきっかけに漫画家としてのキャリアが始まったんですね。
漫画を描くうえで影響を受けた作家さんや作品などはありますか?

高橋留美子先生と、先生の名作『らんま1/2』です。

あの「明らかに両思いなのにくっつかない」っていうじれったいラブコメが好きで。
子供時代に出会った数少ない漫画なので、擦り切れるまで何度も読んでいました。

ストーリー自体だけでなく、高橋留美子先生ならではのテンポの良さも好きですね。

――ありがとうございます。
続いては、今作についての質問です。
今作は「草食系の皮をかぶった肉食系男子」のヒーロー・要と出会う所から始まります。
要を描く上で特に意識していることはありますか?

自分が要になりきって描くように意識しています。

今作の原案を頂いたときに、ロールキャベツ男子について
色々調べてみたのですが、いまだにしっかりイメージは出来てなくて。
だから、「自分だったら何が原因でそんな二面性を作ってしまうかな」
と想像して、要視点で考えることにしたんです。
そのせいか、内面はコンプレックスだらけの邪道な男になってしまいました。

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――先生の描く要はとにかくかっこいい!と読者さんに大人気です。
「ここはかっこよく描けた!」というお気に入りのシーンはありますか?

お気に入りのシーンは……
6話の、エレベーターの中で一瞬振り返って見せた、なんとも言えない笑顔ですね。
はにかんでるような、あざとい作り笑顔にも見える、曖昧な笑顔なんですけど。
読者さんが「どういう気持ちでこんな顔したんだろう」って考えてしまうような、
不器用な表情になるように心がけました。

要のことを「かっこいい」と言ってもらえるのは本当にありがたいです。
私自身はどっちかというとヘタレ男子が好きなせいか、
女子にとって「かっこよさ」とは? っていうふうにいつも悩んでいるので。

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――要をかっこよく描くために試行錯誤されているんですね。
要以外も含めて、お気に入りのキャラと自分に似ているキャラがいれば教えてください!

お気に入りのキャラは主人公の紬です。「今どきの女子」っていうところが好きで。
また、人を疑わないっていう性格は自分と違う部分なので、
すごく新鮮なキャラだと思って描いています。

ヒロイン至上主義だから、紬以外は割と同列なんです。
ただ、序盤に無計画に出した「サークルの部長」の株が最近上がっています。
ストーリーの中で実際に動かしてみると使える子だったので。

自分に似ているキャラは、やっぱり要です。
私は草食系を演じるとか器用なことは出来ないんですが、
好きな子をいじめちゃう不器用なところは共感しながら描いてます。

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――ありがとうございます。
今作でたびたび登場する食事シーンは、読んでいて毎回「美味しそう」と感じるほど
どのシーンも魅力的です。食事シーンには何かこだわりがあるのでしょうか。

何か頬張ってる女の子が好きなので、食事シーンは結構意識的に入れています。
「美味しいものを食べたい」って気持ちは漫画のどんな設定よりも
共通する人が多いと思うので、読者さんにより共感してもらえるシーンになればいいなと。

同じ食べ物でも、気持ちやシチュエーションで
食べ方を変えてみるとかいろいろ工夫しています。
今作にはありませんが、たとえば初デートなのに
手や口が汚れるハンバーガーを女の子がうっかり注文してしまうとか、
個人的に好きなシチュエーションです。

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――食事シーンが沢山あるなとは感じていました。
とても熱意を持って描かれていたのですね!
ほかにはダンスシーンも魅力的だと感じました。
こちらは何かを参考に描かれているんでしょうか?

アクションシーンに苦手意識があったので、
ダンスシーンを描くときは特に資料をたくさん集めました。

ダンス動画や漫画はもちろん、一番勉強になったのはNARUTOのアニメです。
「人間の手足が早く動く表現は、こう崩すとかっこいいんだな」とか。
コマ送りにするとすごくわかりやすくて。

とにかくかっこいいので、見入っちゃってそのまま
見続けてしまうこともあるんですが(笑)。

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――次は少し趣向を変えた質問です。
もし紬たちと同じ大学生活をやり直せるとしたら、何をやりたいですか?

とくにないです。大学生じゃないと出来ないこと、って、
考えてみるとそんなにない気がするので。

でも、サークルや就活でもっと積極的にご縁を広げていたら、
漫画にも活かせる発見があったのかもしれないなと思うことはあります。

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――話は大きく変わりますが、今度はプライベートについておうかがいします。
漫画の合間に夢中になっているご趣味はありますか?
休日の過ごし方などもぜひ教えてください!

漫画制作の合間というか、作業しながらドラマやアニメを流しています。
今は仕事が手一杯なので。

休日はゴロゴロして過ごしています。
今は遠出がなかなかできないので、時々自分へのご褒美に
ちょっと豪華な出前を頼んで家事をサボるのが幸せです。

コロナ禍になる以前は温泉旅行にハマっていたこともあります。
石川県に住んでいたとき、周りに温泉がすごく多くて。

――早くまた温泉に行きたいですよね!
最後に読者さんにメッセージをお願いいたします。

いつも応援してくださりありがとうございます。

私が物語で一番大事だと思っているのは最後の読後感、つまり締め方なんです。
でも読者の皆さまのおかげで、まだまだ締め方よりも、
「今後の展開がどうしたらもっと面白くなるか」という部分に悩むことができています。

今作も「最後まで読んでよかった」と思ってもらえる作品を作るために頑張るので、
これからもお付き合いいただけると嬉しいです。

百瀬こあ先生、作品作りのことからプライベートのことまで
何でもお答えいただきありがとうございました!
先生のこだわりの詰まった食事シーンやダンスシーンに、
より一層注目していきたいと思います。
今作は単行本が1・2巻連続刊行、そしてなんとTVアニメ化も決まりました!
お話もますます盛り上がっていくと思いますので、 ファン一同ストーリーの続きを心待ちにしましょう。

☆作品はこちら↓

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