デジタルコミックの最前線。
サウロ先生インタビュー『異世界大奥～王妃になりたくば夜伽で殿下に愛され続けよ～』
『異世界大奥～王妃になりたくば夜伽で殿下に愛され続けよ～』は、
異世界と「大奥」をかけあわせた独特な世界観の作品です。
夜伽が重要なアピール手段となるだけあってきわどい描写あり、
女の意地が激突するバトルありと読者を飽きさせません。
刺激的な今作を手がけるサウロ先生の素顔に迫ります。
――今回のインタビュアーは担当編集のＷです。
はじめに、サウロさんの漫画家としてのご経歴をお聞かせください。
子供のころから絵を描くのと物語を創作するのが好きで、2つを同時にできる漫画家を目指すようになりました。
漫画作品の投稿や出版社への持ち込みをしている中で、
携帯コミック作家の募集に自分の作品を応募してみたら奇跡的に採用していただけまして。
そこからティーンズラブ（TL）作品を描いています。
――携帯コミックのTL作品で念願の漫画家デビューを果たしたんですね。
デビュー前から「TLジャンルで描きたい」というこだわりがあったんですか？
デビュー前は自分の中で描きたいジャンルを決めきれなかったんですよね。
少女漫画も好きだったし、少年漫画や青年コミック、
ビジネス系の漫画もすごい好きで、いろんな漫画描きたいなって思っていて。
ただ何て言うのかな、絵がすごく濃かったんですよ。
青年漫画の劇画タッチみたいな絵で、恋愛系の作品を描いて持っていっても「ちょっと絵が......」と言われてどこも駄目で。
悩んでいたときにTLを携帯コミックで読むようになって、
興味を持って調べたら作家さんの募集が見つかったので、応募してみました。
――劇画系！今の絵柄からは想像つかないので、一度その頃の絵を拝見してみたいです。
ちなみに先ほど、子供の頃から創作がお好きだったとお伺いしましたが、
特に影響を受けた、憧れていた作品はありますか？
憧れている作品......いっぱいあるので、この1作品ってのいうはないんですけど。
アニメの方の『セーラームーン』には確実に影響を受けてますね。
――『セーラームーン』は根強い人気を誇る名作アニメですから、やっぱり憧れますよね。
次はサウロさんの作品である『異世界大奥』について聞かせてください。
今作は異世界ファンタジーもので、これまで描かれてきたTL作品とは違う点も多いと思います。
どんなところに力をいれて、もしくは気を付けて描かれていますか？
異世界ファンタジーなので、装飾を追加するとか、豪華に見せるための描写には力を入れています。
あとは現代ものと違って世界観の説明とかが必要なんですけど、
それをあまり複雑にならないように、なるべく分かりやすくするように気を使っています。
――今作はお話の通り背景や衣装の描写がとても丁寧で、世界観もしっかりとこだわられていると思います。
こうしたものを描くのに参考にされている資料やモデルとなった場所などはありますか？
手元に置いて、何かを参考にして描くっていうのはないです。
もう完全に頭の中で「何かこんな感じの金色の刺繍とか入ってそうだな」って。
ただ、多分今までに見た映画とか、そういうのが頭に残っているかなとは思います。
中世ヨーロッパが舞台となっているような映画が好きなので。
――映画などの作品から着想を得ているのですね、ありがとうございます。
「大奥」をテーマとしているだけあって、今作には女同士のバトルをはじめ印象的なシーンがたくさんあります。
描いていて一番楽しいシーンはどういったシーンですか？
女同士で睨みあって、レイナが食ってかかるようなシーンが一番好きというか楽しいですね。
ほかのキャラクター......3人の候補（※）に絡まれて、
そこでレイナが「転生後にご期待なさったら？ 」ってあしらうシーンは描いていてとくに楽しかったです。
※今作では主人公のレイナを含めた複数の令嬢たちが王妃候補として登場し、王妃の座をかけて争いを繰り広げる。
気の強いレイナはたびたびほかの候補者から目の敵にされ、嫌がらせを受けることも。
――描いていて楽しいシーンにも挙げられていましたが、
サウロさんは大奥でのバトルなど、女性同士のドロドロしたシーンがお上手ですよね、
こうしたシーンのアイデアはどのように生まれているのですか？
キャラクターの性格から、どういった行動をとるかなどをイメージして描いています。
陰でこそこそ仕掛けるタイプなのか、正面から暴力に走るタイプなのかとか。
それから、物でも台詞でも恋でもいいんですけど、
それを絵にした時に伏線もしくは印象に残るようなアイテムは何かっていうのを考えます。
これも何かを手に取って参考にするわけじゃないんですけど、
多分これまで読んだ本や映画とかドラマが下敷きになって、アイデアがふっと湧いてくる感じです。
――なるほど、実体験をもとにしているのかと思っていました（笑）
ちなみに、過去にこういうドロドロに巻き込まれたことはありますか？
私自身はないです（笑）
――巻き込まれてみたいと思いますか？
いや、嫌です（笑）
レイナみたいに立ち向かったりとかできないので、なるべく避けたいです。
――レイナはドロドロに巻き込まれてもまったく動じないのですごいですよね！
せっかく話に出たので、今作の主人公・レイナについてどんなところが魅力か教えてください。
レイナの魅力は、言いたいことをはっきり言う所ですね。
自分はそういうことができないので、わかりやすいというかスッキリしていていいなぁと思います。
――相手にあれだけズバズバものが言えると気持ちよさそうです。
次は男性キャラクターについての質問です。
今作はイケメンな男性キャラクターがたくさん出てくるので、どのキャラを推しにするか悩んでしまいます...。
サウロさんご自身のお気に入りのキャラと、そのキャラを描く上でのこだわりを教えてください。
男性キャラクターだと、デレクっていう第2王子が推しなんです。
ガツガツしてないキャラでレイナに対していつも無感心というか冷酷な態度だけど、
ふとした時に優しさが垣間見える、っていうところが気に入っています。
デレクの登場シーンが少なくて、あまり描けていない部分なんですけど。
――TLに登場するのは押しの強い男性キャラクターが多いので、
その中でデレクは結構珍しい存在かもしれないですね。
――ところで、漫画の合間に夢中になっていることはありますか？
息抜きの仕方や休日の過ごし方でも大丈夫ですので、ぜひ教えてください。
完全お休みの時は映画見たりゲームしたり。
あとはものづくりが好きなので、小物作りやDIYもしますね、
愛猫のオリジナルグッズを作ってみたり、DIYで自分の部屋を改良したりとか。
――サウロさんは細部まで丁寧な絵を描かれるので手先が器用そうだなとは思いましたが、
そこまで本格的なものづくりをされているとは驚きました！
それでは、最後に読者さんにメッセージをお願いいたします。
『異世界大奥』を読んでくださってる読者さんには、
まず「応援してくださってありがとうございます」とお礼を言いたいです。
『異世界大奥』は私にとって念願のファンタジーだったこともあって、
これまでになくどんどんエピソードが浮かんでいます。
アイディアはつきないので、ますます話が膨らんでいくと思います。
精一杯かたちにして行きますので、今後とも楽しんでいただけると嬉しいです。
サウロ先生、漫画家としての歩みからプライベートまで興味深いお話の連続でした！
異世界の大奥で、レイナはライバルの令嬢たちに屈することなくクラウスの王妃になることができるのか？
波乱万丈なレイナの戦いが描かれる『異世界大奥』にこれからも読者一同注目しましょう。
☆作品はこちら↓
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