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海野えび先生インタビュー『クソ上司はヤリ愛でるものと心得よ』

クソウザいパワハラ上司のくせに、なんでこんなにエロいんだ―!
美麗な線で描かれる濃厚な絡みと、可愛すぎるデレ上司が破壊力抜群の
『クソ上司はヤリ愛でるものと心得よ』。
最高級のギャップ萌えで読者を魅了する海野えび先生に、
制作に関するお話や漫画家としてのルーツを聞きました!

――今回のインタビュアーは編集担当のTです。
まずは海野先生のご経歴を教えていただけますか?

同人の方はけっこう昔からやってて、
本を出したのは中学生くらいだと思います。
仕事として商業BLを始めたのは2018年頃からでした。

――本を出したのが中学生とは、なかなか早いですよね。

お姉ちゃんと一緒にBLにハマって、気軽に始めたんです。
一冊ぐらいコピー本を出したかな…
今思えばよくやったなって思いますね。

――その頃はどんなジャンルを描かれていたのですか?

ナマモノでした(笑)
ドラマとか、芸能っぽい感じの。
若さってすごいなと思っちゃいます。

――なるほど…!
同人活動ののち、商業に…ということですが、影響を受けた作家さんや作品などはありますか?

実はめちゃくちゃ少女漫画から入ってて。
私の世代だと種村有菜先生がすごく人気でした。
そこから絵や漫画を描こうと思った感じですね。
商業BLは、仕事をするまで全然読んだことなかったんです。

――それは意外です。
BLに触れるようになったきっかけは、さきほどお話に出たお姉さんですか?

そうですね、お姉ちゃんが間違えてアンソロジーコミックを買ってきて(笑)
そこからスタートしました。

――おぉっ!?(笑)
…ありますよね、そういうこと(笑)

ね、みんな言いますね、あの時代は。
なにこれ!と思いつつも、いいじゃん!みたいになった感じで(笑)
始まりましたね、あの時。

――姉妹でBLにはまっていったのですね。
作品についてもお伺いしたいのですが、本作『クソ上司はヤリ愛でるものと心得よ』について、
先生のお気に入りキャラは誰ですか?

お気に入りは美薗君です。
サブキャラかい!という感じですが…(笑)
ああいうタイプの子、顔がすごく好きで。
サブキャラの話を考えてしまったりとかもけっこうあります。

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――お気に入りが美薗君は意外でした(笑)
海野先生の作品って、確かにサブキャラにも全員ドラマがある感じがします。

基本的に考えますね、設定みたいなものは。
あわよくばサブキャラの話も描けないかな、と(笑)
機会があればやりたいなとは思っています。

――それは見てみたいです!
続いてお伺いしますが、海野先生のお気に入りのシーンはどこでしょうか?

お気に入りは…やっぱり1話のトイレのシーンです。
開けたら、あんなことやってたという…!
読んだ人に『えっ!?うわ!!』となってほしいと思いながら描きました。
その後の展開も、どうしてもこうしたい!と思いながら描いたのを覚えてます。
すごく思い出深いです。

02

――あの上司がこんなにとろけるなんて…とドキドキしました。
ちなみに私は、2話ラストの「あんたが好きなのは俺でしょ」と言う場面に萌えまくりました…!
台詞回しがいつもお上手だと思うのですが、良い台詞を生み出すコツってあるのでしょうか?

私もハッとなる台詞、うわっ!となる台詞が好きなので、1話に1回はそのように感情がこもった台詞を入れたいと思っています。
ただ完全にフィーリングですね。
あまり考えすぎず、「いい台詞出てこーい!」と思いながらやってます(笑)

03

――ちなみに1番決まったなと思う台詞ってありますか?

さっき挙げてくださった2話のラスト「あなたが好きなのは俺でしょ」もいいですよね。
絶対言わせたい!…と思って描いたのを覚えてます。
自己中な感じだけど、必死感も欲しくて。
あとは2話の過去パートの部分で、「俺にだけアンタの情けないとこ見せてよ」というのも割と好きです。

04

――本当に名台詞がたくさんありますね。
さて、パワハラ上司が実はどMというギャップが推しどころの本作ですが、
描くうえで特に意識されている点はありますか?

上司に対し“嫌な人”から“可愛い”と思うようになる、そのギャップの部分なのですが…。
“嫌な人”として描く際に、本当にすごく嫌な人にしちゃったら、
多分、後々あんな展開になっても好きになれないと思うんです。
色々言われてしんどくなってしまってたら、後から好きとか言われても別に…ってなっちゃうだろうな、と。
虎尾があまり気にしないタイプだから成立していますが、
どこまで嫌な人として描くかという部分はすごく悩んで気を付けました。

――絶妙なバランスで作られたクソ上司だったのですね…!(笑)

ありがとうございます(笑)

――先生のプライベートもお聞きしたいのですが、
ご趣味や休日の過ごし方を教えていただけますか?

今はほとんど漫画を読んでるか、あとはゲーム、映画という感じです。
インドアが多いですね。

――それは仕事のための吸収も兼ねて、という感じなのでしょうか?

兼ねるつもりが結局、普通に読んじゃったり(笑)
勉強しようと思って読み始めたのに普通に「楽しかった!」で終わっちゃう事ばかりではあります(笑)
BL漫画も話題作をチェックして合間に読んだりしていますね。
本当に良いのが多くて…!
あとティーンズラブなのですが、美波はるこ先生がすっごく好きで。
台詞やキャラクターが本当に生きてる感じで、どれも面白いなと思って読んでます。

――美波はるこ先生、私も大好きです!
ところでずっとお聞きしたかったのですが、海野先生ってスーツ描くのがお上手ですよね。
どのようにして描いてらっしゃるのでしょう?

本当ですか!?
いつも「全然できてないな」と不安なのですが。
たまに画像を見たりもしますが、本当に描けてなくてやばいなと思っていました。
なのでそう言って頂けて、あぁ良かったという感じです!

――意外です、先生の描くスーツめちゃくちゃかっこいいです。
作画の際は実物資料を見たりされるのでしょうか?

実はあまり見ないんです。
よほどわからない時以外は、「こんな感じだったかな」とかで描いちゃってます。
細部までわかっている方が完成度が全然変わるので、見なきゃいけないなとは思うのですが。

05

――スーツなども特に見ずに描くことが多いのですか?

その方が圧倒的に多いです。
初登場のシーンとかであれば見ますが、それ以外はもう…こんな感じだったな、と感覚で描いてます。

――参考がないと描けないのではと思っていたので意外でした!
本当に作画がお上手なので、これからも大変楽しみです。
海野先生はご自身で描いていて楽しいシーンはありますか?

それはもう、圧倒的にエロシーンですね!
ネームもたぶんエロシーンだけだったら一日くらいで、ざーっと終わるような感じです。

――それは体を描くのが好きという感じなのでしょうか?

エロシーンの場合、起こることが脳内に全部、映像で出てくるのでそれを落とし込んでいくんです。
ここのコマは絶対描きたい、ここの台詞はいれたいとか考えながら。
めちゃくちゃ早く終わっちゃうし楽しいです。
エロシーンは感情でOKなので。
普通のシーンはけっこう悩んでます。

――すごいですね。
海野先生の作品は、エッチシーン中も心情が途切れず描かれているのも素敵だと思っています。

24ページでまとめつつ心情を入れようとすると、同時進行で入れないと進まなかったりするんです。
逆に今後、思いが通じ合ったら、そこはもう入れずに2人のそういうシーンだけをばーっと描いたりしたいな、とは思いますね。

――両想いになってからのエッチも見たいです…!
ネームをは、どのような順序で考えていらっしゃるのですか?
あまり迷わずにまとまっていきますか?

いえ、めちゃめちゃ時間かかります。
最初から最後まで一回ぶわーっと描いて、もう一回読み直して、精査して…。
という感じなのですが、描きながらこっちのほうが良いとか、こっちを早めにやった方が良いとか、コマの大きさとかもすごい変えちゃうので…。
ネームの後、なんなら完成原稿があがるまで変わってますよね。
困ってるだろうなと思って…すみません(笑)

――いえいえ、良い作品にしようとしてくださっているのがわかります。
それでは最後に、読者さんへのメッセージをお願いします。

普段は読者さんの反応ってあまり見ないのですが、
今回は読者の方がどう思ってるのかなとレビューなどを見ました。
やっぱりギャップだったり、2人のすれ違いを楽しんでいただいている感じなので、
彼らがくっつくまで見ていてもらえたらと思います。
そして、できればその先も見てもらえたらいいなと思うので、今後も応援して頂けたら嬉しいです!

海野えび先生、どうもありがとうございました!
丹羽部長と虎尾が今後どう動き出すのか、続きが待ち遠しいです!
彼らはちゃんと両想いになれるのか…
今後をどうぞお楽しみに。

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