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松本あやか先生インタビュー『やたらやらしい深見くん』

大好評につき連載継続が決定!『やたらやらしい深見くん』は、
理想のネコを探し求めるナルシスト男・梶と脱いだらエロい同僚のモサ男・深見くんの二人を描いたラブコメBL作品です。
性描写ありのBL作品は本作が初となる作者・松本あやか先生。
こだわりのキャラ造形やエッチシーンなど、
気になるお話をたっぷりとお伺いしました♪

――今回のインタビュアーは、担当編集のHです。
早速ですが、先生のご経歴をお聞かせください。

高校を卒業して美容学校へ進学したのですが、
入学してすぐに「自分には向いていないな。」と、ものすごい挫折感を味わいまして。(苦笑)
美容師としても働いていたのですが、
数ヶ月で辞めてしまい、地元へ戻って別の会社へ転職をしました。
ですが、そこもめちゃくちゃブラック企業で精神的に本当に辛くて…。
「もう全てが嫌だ!!」という気持ちを漫画制作にぶつけて、
とある漫画賞へ応募したところ、編集部から連絡が来た、という流れです。

賞へ応募するまでは漫画作品を描いた経験が全くなくて。
いきなり漫画家としての活動が始まり、最初はかなり苦労をしました。

デビューのきっかけである少女マンガも、
頑張ってはいましたが自分的にはあまりしっくりこなくて。
その後、コミックエッセイを描いたり、
あとはご縁があって札幌を舞台にした食べ物の漫画を描いたりしていました。
その作品をきっかけにお仕事の依頼も増えてきて、ごはん漫画、ごはんBL作品、
そして本作のようなBL作品を描くに至りました。

――ご就職経験もあったのですね。
漫画は趣味で描いていたのでしょうか?

学生の頃はノートの端に落書きをしていた程度で、
それもオリジナルではなく既存のキャラクターを描いていましたね。

その後、漫画賞に応募する直前も鬱屈とした時期ではあったのですが、
当時ニコニコ動画で流行っていた二次創作の手書きMADを作ってアップしたところ、ちょっとバズりまして。
コピー用紙に鉛筆で描いて、スキャンしたデータにペイントソフトで墨っぽい影を入れただけの絵でしたが、
「あれ?私って絵が描けるのかも!」と調子に乗り。(笑)
その後はオリジナルも描くようになりました。

――そうだったのですね!
ちなみに、漫画執筆にあたって何か影響を受けたものはありますか?

若い頃からミュージシャンの峯田和伸さんが好きですね。
恋をした時の衝動や感情の爆発みたいなところは、
ゴーイングステディとか銀杏BOYZに影響されていると思います。
デビュー作に当たる投稿作もBABYBABYという楽曲からインスピレーションを受けて作りました。
普段から音楽にヒントをもらうことが多く、
作品イメージのプレイリストを作って聴きながら話を膨らませています。

――続いて、本作についてお伺いしていきたいと思います。
梶さんと深見くん、それぞれのキャラを描く上でのこだわりはありますか?

その辺にいるような人にすること、ですね。
漫画作品ではありますが、身近にいそうな人を描くというのはどの作品でも意識しています。

――確かに、先生の作品はキャラのセリフやモノローグにも親近感を覚えます…!
セリフ回しや言葉選びで意識していることはありますか?

自然な話し言葉になるように意識しています。
文法的には破綻していても、しゃべる時はこう言うだろうなと思ったら、そっちを使うようにしていますね。

キャラ造形やキャラの奥行きを自分の中でしっかりと作り込んだら、
あとは勝手にキャラ自身でしゃべってもらって、
私はそれをイタコのように憑依させて描いているイメージです。(笑)

――個人的には、第1話の「無人島に2人になっても、こいつとだけはねえな」というモノローグが特に印象に残っています。
あれも「梶だったらこう思うかな?」と、自然に出てきた表現だったのでしょうか?

そうですね。
最近の恋愛リアリティーショーでもよくあるじゃないですか。
突然、男女が無人島に連れて行かれて恋をする、みたいな。
もしその番組を梶が観ていたとしたら、ああいったセリフが出てくるだろうな、と。(笑)

キャラをより身近に感じてもらうためにも、
私が普段の生活の中で見聞きした情報はなるべく取り入れるようにしています。

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――梶さんについてのお話が出ましたが、
対する深見くんを描くにあたって意識していることはありますか?

梶の目から見て魅力的に映っているかどうか、俯瞰してみることですかね。
深見くんは受けなのもあって、自分で描いていても「この人なに考えているのかな?」と思う謎な部分があって。
なので、キャラと一緒に恋できちゃう!みたいな。
読者の皆さんも梶と一緒に深見くんへ思わず恋をしてしまうような、
そんな魅力が出せるように頑張っています。

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――深見くんは、読んでいるこちらも恋に落ちてしまいそうな、魅力的な受けだと思います…!
ちなみに、性描写ありの漫画作品は本作が初挑戦とのことですが、
エッチシーンなどを描く時に意識していることはありますか?

読みやすさ、ですね。
何がどこにあるのか、誰が何をしているのかが分からないと読む側も楽しめないと思うので、
状況が伝わる絵づくりを意識しています。
あとは、顔・全身・局部で強弱をつけながらリズミカルに描くよう頑張っています。

ふと、本作を描いていて思ったのが、食べ物の漫画とエロい漫画は作り方が似ているな、ということでした。
どちらも話の盛り上げ方が似ているから、やりづらいこともなく自然に描けていますね。

――意外です!食べ物漫画とエッチシーンは、具体的にどういった共通点があるのでしょうか?

食べ物漫画の盛り上げ方として、
まずは「美味しそう!」「どんな味なのかな?」という期待感からはじまるんですよね。
そして実際に口へ入れて味わってみる、最後に感想が出てくる、という流れで。

エッチシーンも、まずはドキドキする期待感があって、
そして実際にエッチをして盛り上がって、終わったら「どうなの?」っていう。
そういった盛り上げ方の流れが似ているなと感じました。
なので、自分的には食べ物の漫画を描くのも、性描写を描くのも、あまり変わりはないですね。

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――ちなみに、今後描いてみたいシチュエーションや展開はありますか?

お互いの部屋には行かせたいのと、あとはお酒を飲ませたいですね。
お酒を飲むと理性がちょっと緩くなるじゃないですか。
そういう時にどんな姿を見せるのか、酔っ払った二人を描いてみたいです。

――では最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします!

ComicFestaでも、たくさんの応援コメントが届いていて本当に嬉しいです。
いつも指紋が擦り切れるんじゃないかというほど見ています。(笑)
楽しい作品にしていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いいただけますと嬉しいです!

松本あやか先生、ありがとうございました!
深見くんのギャップに振り回されっぱなしの梶さん。
二人の関係性は今後どのように変化していくのでしょうか?
意地っ張りな恋愛模様を、ぜひお楽しみください♡

☆作品はこちら↓

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